映画監督の仕事
映画監督とは、俳優と並んで、映画製作のひとつの「顔」です。一般的にいって、この映画監督だから見たい!という視聴者の声は映画熱とともに高まる一方です。 映画制作スタッフの指揮官であり、最高責任者でもある映画監督は、例えていうならば野球チームの監督のような存在です。
または、オーケストラの指揮官でしょうか。 プレイヤーが持つ能力を最大限に引き出し、ひとつの方向に向かって束ね、ひとつの作品として完成させていくことが役目です。
気の遠くなるような細かい作業が、映画監督には課せられます。それと同時に、全体を見渡せる能力も必要です。
監督の一声で全てのスタッフが動いていきます。映画そのものの善し悪しを左右するのはこの監督次第でしょう。 脚本家との綿密な打ち合わせ、スポンサーとの打ち合わせ、製作現場のトップとしての指示だしなど、もの作りにおける全ての側面で物事を決定していきます。
長期にわたる撮影期間の間に常に冷静な判断ができるだけの目と頭、そしてスクリーン上に映し出される感性の世界。このどちらにも常にバランス良く見渡せる余裕がなくては務まりません。1本の映画に人生の一部を切り取って捧げていると言っても過言ではないほど、頭も体力も使う仕事です。
映画監督の役目
映画というひとつのパッケージになったものを作り出す時、そのすべてを作り上げる要素に対する決定権を持つのが映画監督です。
テーマとなる題材、ストーリー、セリフ、起用する俳優、美術、小道具、セットデザイン、ロケーション、衣装などすべてです。映画プロデューサーが映画制作にかかる資金集めや予算の分配を通常しますが、自ら行う映画監督もいます。
映画作りには絶対的に資金が必要なのでいいプロデューサーと組むことも重要になります。 〝絵が好き〟だから映画監督への転職をめざしたという人もいれば、〝脚本家〟から監督を兼業する転職方法もあります。いずれにせよ通常の転職とはまったくやり方が違います。
映画監督は、常に流動的な中に身をおいて仕事をします。時にはスタジオで撮影があり、またロケハン(ロケーションハンティング)をしたり、撮影許可の申請をしたり、スケジュールの作成をしたりもします。
俳優に演技指導もするし、編集する時は編集室にこもりっきりになりもします。 野外での撮影もありますし、その予定自体を決めるのも映画監督の役目です。
最も大切なのはやはり各々の撮影現場であり、俳優の演じるすべてをひとつずつに最大限の気をくばり、テーマを的確に描いていきます。