シナリオライターに求められるもの
シナリオライターに求められるものは、第一に〝センス〟です。現場で求められるシナリオライターのシナリオは最初の5枚を読めば、もう〝掴む〟用意ができているのです。
2番目に、仕事の早さです。発注がかかってから1週間後には、ある程度のものを提出できるぐらいの迅速さを求められます。例え、シナリオライターであるあなたが、アイデアが湧かなくても、書く手をとめずに、時間内でなんとか絞り出すのです。
そして、次に新鮮なアイデア、現代感覚。ドラマや映画は、主にその時代を映し出しているだけに、そういった〝今〟の感覚を持ち合わせることも必要になってくるでしょう。
シナリオライターに転職したい人に、こういった質問を受けることがあります。「得意ジャンルを持つのがいいのか、それともオールマイティがいいのか?」例えば、医学や法律などの専門分野をテーマとすることもあります。ですが、与えられたテーマがまったく未知のものであっても、作家であるあなたの勉強次第でそれらは克服することができます。
何年も経験を積んでいくと、自分の得意分野ができてくるので、最初から持っていればいいのか、というと必ずしもそうではありません。
また、あなた自身の意見をいえることも大切です。相手の話をきちんと聞いた上で、自分の主張がちゃんとできるということ、それを理論で相手を説得させることです。これもある意味、〝センス〟なのです。
シナリオライターを保護する団体
シナリオライターを保護する団体は大きく分けてふたつになります。「日本シナリオ作家協会」と「日本脚本家連盟」です。
フリー、個人の立場で働くことが多くの場合、シナリオライターの業務形態であるのでこういった協会の存在を有効に活用することは、心強いものです。
映画関係に強いのが、「日本シナリオ作家協会」です。2005年の調べでは、この協会に属している会員は353名です。この協会はふたつの組織から成り立っています。
脚本家の権利や利益を擁護する活動を行っている〝協同組合日本シナリオ作家協会〟と、映像や文化の発展のための活動を行っている〝社団法人シナリオ作家協会〟です。
著作権などに関する業務も管理してくれるので、個人で働く場合に面倒な源泉徴収などの手続きも任せることができます。
対して、「日本脚本家連盟」は、テレビやラジオなどの放送媒体を活動の場とする作家を中心にサポートします。シナリオライター以外にも構成作家、演芸作家など、広い分野でいう作家の権利を保護してくれます。NHKや民間放送連盟との間に結ばれる団体契約に含まれるのです。
これらの団体は、あくまでシナリオライターをサポートしてくれると考えてください。ここに属したからといって、仕事をとってきてくれるということではないのでそこは注意して覚えておいてください。